2024年度「食品衛生検査セミナー」
開催報告

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2024年10月24日

島津ダイアグノスティクス株式会社は2024年度の阪崎利一賞の受賞者として株式会社明治 品質本部の松本知克様を選考し、10月24日に神奈川県川崎市のShimadzu Tokyo Innovation Plazaで授賞式を執り行いました。


阪崎利一賞は、日本の食品微生物学の第一人者として知られる阪崎利一博士の功績をたたえる検証事業として、2010年に創設されました。阪崎博士は腸内細菌科の微生物“Cronobacter sakazakii”の菌名の由来にもなるなど、日本の微生物学に偉大な功績を遺されました。


同日には、授賞式と合わせて、食品衛生検査セミナーも開催され、松本様が受賞記念講演として、明治グループの検査体制の概要や、人材育成の取り組みなどについて解説を行うとともに、同社研究本部の髙橋尚美様が明治グループの微生物学的衛生管理における簡易・迅速法の活用事例をテーマに講演を行いました。また、セミナーでは島津ダイアグノスティクスが主催した「2024年度 細菌検査精度管理サーベイ」の結果に関する報告も行われました。

食品衛生検査セミナーにはオンラインと併せて約250人が参加。セミナーは2009年から開催しており、今回で16年目を迎えました
明治・松本知克様に島津ダイアグノスティクス・斎藤伸取締役執行役員から記念の盾などが授与されました

目次

受賞の言葉

明治・松本知克様

このたびは阪崎利一先生の偉大なお名前を冠した賞を賜り、恐縮しております。明治グループの品質保証をより良くしようと取り組んでこられた歴代の先輩方をはじめ、関係する皆様が尽力してこられた結果が、今回の受賞につながったものと受け止めています。今後も引き続き、品質保証体制の強化に努めてまいる所存です。

食品衛生検査セミナー賞(阪崎利一賞)受賞記念講演
明治グループの検査体制と新たなステージへの挑戦

株式会社明治
品質本部 品質保証部
松本 知克 氏

2007年 明治製菓株式会社に入社、東海工場(静岡県)で製造部に配属。2011年、明治グループの事業再編に伴い、株式会社明治 東海工場 品質保証課に異動。2018年に社内資格である「検査士認定制度」を取得、東海工場 微生物統括業務やFSSC 22000の認証取得における運用業務などに従事。2022年から東京本社 品質本部 品質保証部で各工場の品質管理指導、検査関連の統括業務、全事業所の防虫管理の事務局などに携わっている。

はじめに
~明治グループと株式会社明治について~

私が所属する株式会社明治は、明治製菓株式会社と明治乳業株式会社の統合により、2009年に持株会社「明治ホールディングス株式会社」が設立されました。その後、2011年に食品事業の株式会社明治と、医薬品事業のMeiji Seikaファルマ株式会社への再編が行われ、現在は人々の日々の生活に欠かせない「食品」と「医薬品」の提供を事業領域としています。2016年にはグループとして創業100周年を迎えました。

グループ全体では表1に掲げる理念の下、創業者の「栄養で世界中の人々に貢献したい」「栄養で社会に貢献したい」という思いを、今日まで継承してきました。2019年には「価値共創センター」(現「ウェルネスサイエンスラボ」)を設立し、食品と医薬品の両分野の技術や知見を融合するなど、互いの強みを生かしたシナジー創出を目指しています。

グループの理念

  • 私たちの使命は、「おいしさ・楽しさ」の世界を拡げ、「健康・安心」への期待に応えてゆくこと。
  • 私たちの願いは、「お客さまの気持ち」に寄り添い、日々の「生活充実」に貢献すること。 私たち明治グループは、「食と健康」のプロフェッショナルとして、常に一歩先を行く価値を創り続けます。

〈出典〉https://www.meiji.com/corporate/philosophy.html

表1 明治グループの理念