
EC ブルー、MPNプレート
水中の大腸菌および大腸菌群検査用
EC ブルーは「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法」大腸菌検査法(特定酵素基質培地法、ピルビン酸添加XGal-MUG 培地)に収載されているオリジナルの培地です。 「上水試験方法2020 年度版」、「遊泳用プールの衛生基準」、「学校環境衛生の基準」などの水質検査用培地に適用できます。
ECブルーの特長
- 高感度・迅速
ピルビン酸など大腸菌群の生育を早めるための成分が含まれていますので、1CFU/100mLの大腸菌および大腸菌群を24時間で検出できます。また、塩素処理による損傷菌の検出にも有効です。 - 大腸菌と大腸菌群を 同時に検出
2種の酵素基質(MUGとXGal)により、大腸菌と大腸菌群を1つの培地で同時に検出できます。 - 培地調製・滅菌不要 簡単操作
培地を分包容器または培養ボトルに充填後、容器ごと電子線滅菌しています。このため、培地の秤量や滅菌などの操作は不要で、検水を加えて培養するだけの簡単操作です。 - 3種類の分包形態
使用目的にあわせて、3種類の形態(100mL定性試験用分包滅菌培地、100mL定性試験用ボトル入り滅菌培地、10mL定量(MPN)試験用ボトル入り滅菌培地)から選択できます。 - 明瞭判定
大腸菌が陽性の場合は、紫外線照射下で淡青色~青紫色の蛍光を発します。大腸菌群が陽性の場合、青色~青緑色の明瞭な呈色反応を示します。
検出原理 特定酵素基質培地法(ピルビン酸添加XGal-MUG培地)

大腸菌の有する酵素β-グルクロニダーゼにより、合成蛍光酵素基質(MUG)が特異的に分解され、蛍光色素(4-メチルウンベリフェロン)が遊離し、紫外線照射下で淡青~青紫色の蛍光を発します。


大腸菌群がもつ酵素β-ガラクトシダーゼにより、合成発色酵素基質(XGal)が分解され、 ブロモクロロインジゴを生じ、培地が青~青緑色を呈します。

培地組成 (1L分=17.4g中)
ペプトン | 5.0g |
---|---|
塩化ナトリウム | 5.0g |
ピルビン酸ナトリウム | 1.0g |
リン酸二水素カリウム | 1.0g |
リン酸一水素カリウム | 4.0g |
硝酸カリウム | 1.0g |
ラウリル硫酸ナトリウム | 0.1g |
イソプロピル-β-D(-)-チオガラクトピラノシド(IPTG) | 0.1g |
5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシド(XGal) | 0.1g |
4-メチルウンベリフェリル-β-D-グルクロニド(MUG) | 0.1g |
pH7.1±0.2 |
分包形態
100mL定性試験用 | 10mL定量(MPN)試験用 | |
---|---|---|
ECブルー100P * (分包滅菌顆粒培地) ![]() 滅菌培養容器に分取した検水100mLに、分包培地を加えるだけの簡単操作。培地を汚染させずに添加できるアルミスティック包装です。 |
ECブルー100 ** (ボトル入り滅菌顆粒培地) ![]() 培地入り培養ボトルに検水100mLを加えるだけの簡単操作。培養容器等の準備は不要です。 |
ECブルー10 ** (ボトル入り滅菌顆粒培地) ![]() 培地入り培養ボトルに希釈系列を組んだ検水10mLを加えるだけの簡単操作。滅菌培養ボトルの準備は不要です。 |
* 滅菌培養容器はお客様にてご用意下さい。
** 滅菌培養容器の準備は不要です。培養容器には、透明性にすぐれた、自蛍光を持たない素材を使用しています。
判定方法

366nmの紫外線を照射し、淡青~青紫色の蛍光が確認された場合、大腸菌陽性と判定します。
β-グルクロニダーゼは、大腸菌の約95%が保有しています。このβ-グルクロニダーゼにより、蛍光基質MUGが加水分解され、紫外線照射下で、淡青~青紫色の蛍光を発します。


自然光下で青~青緑色の呈色が 確認された場合、大腸菌群陽性と判定します。
本培地で発育するβ-ガラクトシダーゼ保有菌は、主に大腸菌群です。このβ-ガラクトシダーゼにより、発色基質XGalは加水分解され、青~青緑色に呈色します。

注:2枚の写真は同じ培養ボトルを、紫外線照射下および自然光下で撮影したものです。
操作手順

使用上および判定上の注意事項
- 腸管出血性大腸菌O157:H7は、β-グルクロニダーゼを産生しないため、本培地で大腸菌としての検出は できません。このため、大腸菌O157:H7は、他の方法で確認する事が必要です。
- 呈色反応は青~青緑系のほか、緑色、黄緑色を呈する場合がありますが、すべて陽性と判定します。
- 呈色の程度が微妙で判定に迷う場合、次のことを実施して下さい。
1.ECブルー比色液と比較して判定します。
2.判定試験管のバックに白い紙をあてると判定しやすくなります。
3.大気中の酸素に触れると呈色が強くなる傾向がありますので、ミキサー等で攪拌するか転倒混和して下さい。
4.呈色が不均一な場合、培地の濁りで判定しづらい場合は、容器の底や上部に呈色物があるかどうかを確認 して下さい。 呈色物が少しでも認められた場合は、陽性として下さい。 - お客様が用意された容器を用いる場合は、ECブルー比色液を同じ容器に移し替えて判定して下さい。
- 井戸水や河川水など従属栄養細菌が多く存在するような検水では培地に濁りを形成する場合があり、また、 硬度の高い検水では、白濁することがありますが、判定に支障はありません。
- 微生物の取扱いは常に感染の危険がありますので、本製品の取扱いにあたっては熟練した人の指導のもとに、 バイオハザード対策を実施した上で使用して下さい。
- 使用後の培地・容器・器材等はオートクレーブ等で滅菌処理した後、廃棄物に関する法令・規定に従って 処理して下さい。
飲料水の大腸菌・大腸菌群測定用
ECブルーMPNプレート
ECブルー100/100Pとの組み合わせによりMPN検査を簡易に!
平成8年(1996年)に埼玉県越生町で発生した水道水を原因とした集団感染事例を発端に、「クリプトスポリジウム暫定対策指針」が示され、平成19年(2007年)3月には厚生労働省健康局水道課の健水発第0330005号、0330006号(検査の方法)にて「水道水におけるクリプトスポリジウム等対策指針」の中に指標菌の検査方法として、大腸菌の定量検査(特定酵素基質培地法による大腸菌の定量=MPN法)が組み込まれました。
ECブルーMPNプレートは多くの試験管を用いる従来の煩雑な定量検査を2ステップの簡易な検査で行えます。
MPNプレートの特徴
- コンパクトなサイズです。 11cm(縦)×9cm(横)×5cm(高)
- 10mL、1mL、0.1mLの5本法です。
- 希釈操作の時間、試験管への接種の時間が節約できるため従来のMPN法操作に比べ、 操作時間が大幅に低減できます。
- ISOの最確数法に基づいた試験方法です。結果もISO9308-2の最確数表を参照してMPNを 求めることができます。
- デバイス内の検水に全く蛍光が見られない場合、生菌数1cfu/100mL未満が判定できます。
MPNプレートの使用方法
- ECブルー100/100Pを使用し、検水を混和した100mLのECブルー溶液を調製します。
- 調製したECブルー溶液100mL全量をプレート傾斜部(右図青破線部)に流し込みます。各ウェル(0.1mL容ウェル、1mL容ウェル、10mL容ウェルの全て)がECブルー溶液で満たされているのを確認します。余分な溶液は液溜め(右写真では上部)に溜まります。
- 付属のふたを置き、内容液をこぼさないように注意しながら恒温器に移し、培養は35~37℃で24時間行います。
- 培養後、紫外線ランプを用いて波長366nmの紫外線を照射し、蛍光の有無を確認します。培地に対応する比色液よりも蛍光が強い場合は陽性と判定し、弱い場合は陰性と判定します。
上記の場合、10mL、1mL、0.1mLの陽性本数は、 それぞれ4-2-1となり、MPN表より、26cfu/100mL が得られます。
MPNプレートの判定方法
MPN表(最確数法)により菌数を求めます。
製品および関連製品
用途 | 品名 | 製品コード | 包装 | 希望納入価格 | 貯法・使用期限 |
---|---|---|---|---|---|
100mL定性試験用 (容器なし) |
ECブルー100P |
05592 | 100mL用×80包 | ¥27,200 | 遮光室温 24ヵ月間 |
100mL定性試験用 (容器付) |
ECブルー100 |
05593 | 100mL用×80本 | ¥36,000 | 遮光室温 24ヵ月間 |
10mL定量試験用 (容器付) |
ECブルー10 |
05613 | 10mL用×150本 | ¥27,000 | 遮光室温 12ヵ月間 |
飲料水の大腸菌 ・大腸菌群測定用 |
ECブルー MPNプレート |
06517 | セット個包装(本体、蓋) ×18(滅菌済) |
¥14,400 | 室温 |
用途 | 品名 | 製品コード | 包装 | 希望納入価格 | 貯法・使用期限 |
---|---|---|---|---|---|
100mL用陽性確認用 | ECブルー100 比色液II |
06514 | 100mL用×1本 | ¥3,500 | 遮光冷所(4~10℃) 12ヵ月間 |
10mL用陽性確認用 | ECブルー10 比色液 |
06516 | 10mL×1本 | ¥1,600 | 遮光冷所(4~10℃) 12ヵ月間 |