コンパクトドライ™ 判定ガイドコンパクトドライ™ TC

本ガイドは、コンパクトドライ™ TCの培養結果について適切に理解していただくためのものです。その他の製品については以下をご参照ください。

  • その他の製品(準備中)

コンパクトドライ™ TC

用途一般生菌数測定用
TC Total Viable Count
認証食品衛生検査指針2018収載/AOAC-PTM認証/MicroVal認証/NordVal認証
特長標準寒天培地の栄養素をベースにした一般生菌数測定用の培地です。酸化還元系指示薬であるテトラゾリウム塩を含むため、発育した多くの集落は赤色に発色します。
判定方法35±1℃ 48±3時間  赤色集落を形成

拡散したコロニーのカウント

Q 黒丸内のコロニーは生菌数としてカウントすべきコロニーですか?

A 赤い発色が薄いコロニーもカウントしてください。

Q また赤丸内にはいくつのコロニーとカウントすべきですか?

A 赤い芯の回り発色が広がっていますが、これも1つのコロニーとして数え、赤丸内の合計コロニー数は、青丸で囲んだ3個とカウントします。

Q 赤い発色が広がっていますが、この部分はどのように判定すればよいですか?

A 高い運動性を持つ菌の場合、プレート上に広がった状態のコロニーを形成する場合があります。広がったコロニーは単独のコロニーと判定します。

ポイント

コンパクトドライに検体試料液を接種すると、試料液はシート全体に均一に広がります。ゆえに検体中に存在した細菌も均一に広がっていて、発育したコロニーは均一に存在するはずです。一部分に菌が密集して発育することはないと考え、シート全体を見て判定してください。
広がりやすい菌が多いとわかっている検体は、段階希釈を多くする、24時間目で判定してシャーレの裏側にペンで印をつけておく、などの工夫をするとよいでしょう。

シート全体が赤い・適切な希釈段階

牛ひき肉検体を10倍から10,000倍に段階希釈した試料液を接種して培養しました。10,000倍希釈で21個とカウントできます。希釈倍率から推測すると、10倍希釈は約20,000個、100倍希釈は約2,000個、1,000倍希釈が約200個となります。コンパクトドライでは1プレートに1,000個を超えるとカウントしにくくなります。
10,000個を越えるとコロニー化せずにシート全体が赤く着色したようになります。300個以下のコロニー数となるように試料を適切に希釈してください。

牛ひき肉 10倍希釈
牛ひき肉 100倍希釈

約200個

牛ひき肉 1,000倍希釈

21個

Image 1 Image 2

牛ひき肉 10,000倍希釈

ポイント

菌が多すぎて着色しているが赤みが弱い、あるいは、運動性が非常に高い菌がシート全体に拡散して菌が生えているのか迷うとき、フタを少し開けて臭いをかいでみてください。菌が発育している場合は、特有の臭いがありますので、これらの情報もあわせて観察してください。

いろいろな検体のコロニー形状

食品検体によって、そこに含まれる菌叢も様々で、それぞれの特有の形状のコロニーが現れます。

ミニトマト 1,000倍希釈
卵マカロニサラダ 1,000倍希釈
マグロ刺身 1,000倍希釈
生そば 10倍希釈

食品残渣物が入るとコロニーと間違えやすいので注意します。食品残渣物とコロニーとの見分けも大切です。フィルター付きバックを使用することをお勧めします。

ごまドレッシング 10倍希釈

カレールウのような濃い色がついた食品検体は、食品検体の色がじゃまをしてコロニーが見えなくなります。しかし、カレールウの場合は、もう一段階希釈すればカウント可能となります。
加熱した食品では広がった集落(耐熱の芽胞菌)が認められることが多いようです。

カレールウ 10倍希釈
カレールウ 100倍希釈