カビの基礎知識9. カビを制御する
最後にカビの発生を防ぐ手段について考えましょう。
今までカビの発生はどのような状況になると起こるか、発生する時にどのように発育し、汚染するかをまとめてきました。発生するとかなり除去対策が大変であることも説明してきました。
そこで、カビの発生を防ぐ手段についてできるところから説明します。
陽に当てる・乾かす
晴れた日に陽を当てるようにしましょう。これは日光による乾燥と紫外線を当てることによるカビ対策です。
また陽に当てるだけでなく乾燥することもカビには有効です。
すでに記してきましたが、湿度60%以下ではカビは発生しません。ただし、即死滅するということではないので乾燥を継続することで十分にカビを防ぐことができます。
通気をよくする
天気の良い日に通気をよくすることは、風通しを良くして湿度を下げる効果を高めます。
掃除をする
埃には多量のカビがいるため、掃除機で埃を取り除くことが重要です。
熱をかける
カビは熱に弱いです。
30℃以上になると多くのカビは発育が弱くなるか停止します。
また湿熱は極めて有効です。
50℃以上になると多くのカビは死滅していきます。ただ乾燥熱にはなかなか死滅しないことをご理解ください。
消毒・抗カビ処理をする
アルコールや塩素剤はカビに有効です。
ただし、エタノールの場合は有効濃度 70%程度が最も高い効果を示します。70%以下になるときわめて有効性がなくなります。
塩素剤も有効ですが手袋をする、マスクをする、換気をするといった取り扱いに注意してください。
薬剤を取り扱う場合、使用法はしっかり守って下さい。
除菌をする
空気清浄器やエアコンフィルターで除菌することも物理的対策として有効です。
ただし、除菌は通気が十分されているときにすべきであり、目づまりしたままでは効果が得られないばかりか、かえって空気を汚しかねません。定期的なフイルター交換をしてください。